CFP課目試験の学習方法

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CFP課目試験で 「相続・事業承継設計」を何度も挑戦した経験から、学習に適した方法をまとめてみました。他の課目に適用できるかは不明ですが、次回の受験でも同じようなアプローチをしてみます。受験される方の中には、一度に3課目以上に同時合格できる人がいるようです。私には全くもって無理・困難なことです。従って、以下に記載した学習方法は極々普通の60歳代の受験生が受験した経験からです。参考となるかわかりませんが、ご一読ください。

まずは初回受験の勉強法はネットからの情報を参考にして、とにかく過去問を繰り返し行うことで満点合格は絶対に無理でも合格ラインは越えることができるという、既CFP資格者のお話を鵜呑みにして、標準テキストを教科書として、内容をあまり理解できないまま通しで1回読みながらメモを取るなどして学習しました。そして、FPKオリジナル精選過去問題集の過去問を1回と、過去2回分のCFP資格審査試験問題集を何度か繰り返えながら、そこに記載の解説内容で学習しました。試験問題集を解くのが3回目にもなると、問題文とその解答番号が頭の片隅に記憶としてあるので正解できてしまいます。点数だけは高得点になります。これで合格できるような気持ちになりますたね。そして本試験に臨んだところ、見知らぬ問題が出現すると頭がパニックで身動きが取れなくなり、時間がどんどん経過していることにも気づきません。 あるいは、計算問題を正しく解いたつもりが4択の中に自分の計算結果がないのです。何が違うのかと考えると、また焦ります。さらには、ひっかけ問題(後述)に(完璧に)引っかかって、計算した答えが4択の中にあるのでチェックしてしまいます。まんまと間違い番号を選択したのです。挙げ句の果ては試験時間が足りなくて、残り10問以上は「神頼み」です。お守りも授かっているので完璧のはず・・。 それでも50点を僅かに超えることができたのには、正直 驚きました。仮に、あと5問神様が微笑んでくれたら一発合格でした。   ・・運の良い人(運の良い時)は「この神頼み」でも合格できるのでしょう。羨ましい限りです。

次に受験2度目の勉強内容です。基本的には1度目と同じです。標準テキストを基にして覚えるべきことをA4の紙に書いて、部屋の周りにペタペタ貼って、いつでも見ることができるようにした。(これでいつでも記憶をリフレッシュできる! 完璧だ!)  そして、試験時間が不足した1度目の試験結果の対策は、ネットにあった合格者の知恵をいただきました。計算を伴わない選択問題(15問前後ある)のみを、先行して全部解答する方法である。これにより落ち着いた状態で問題文を読むことができました。そして計算等の含まれた問題を次に行う、という2ステップです。2度目の試験ではほぼ時間内に全て手をつけることはできました。実感として試験に合格できたような手応えがありました。しかし翌日の自己採点は悲惨でした。不正解の問題が自分の予想よりもとても多かったのです。公表されたボーダーラインに1問/2点不足で「又しても桜散る」 (◞‸◟)

この結果には、かなり心が折れました。あまりにも運が無さ過ぎる! 神様の責任にしたくはありませんが・・・。そしてこの頃、私的な理由で日々の学習時間が確保できない環境となり、約1年半の間、全くCFP試験の学習に手をつけることはありませんでした。そして状況が変わり、その気になれば学習時間は確保できる様になったのです。悩んだ末に、これが最後の挑戦と覚悟を決めて「相続・事業承継設計」課目の1課目受験とし、これに合格しなかったらもうCFP試験は受験しない(日本FP協会も退会するつもり)と覚悟を決めて学習再開です。今後こそ75点を越えられるような結果となるためには、どのように学習したら良いのか、これまでの学習内容を、どのように変える必要があるのか、と考えながらの学習再開です。 学習を始めて月日が経ち残り1ヶ月強となった頃、残る期間の学習方法を決めました。

考えた結果は「基本的に理解不足(上っ面の理解で今までは終わっている)」、「知識が整理されていないので、同じ種類の問いで常に悩む、そして間違いを起こす(ウィークポイント)」、「どうしてもイージーミス(電卓操作起因、文章問題起因)が多い」。 この様な分析結果は、標準テキストで通しの学習を1度行ってから、FPKオリジナル精選過去問題集のなかにある実力判定模擬を試すと共に解説内容を学習したあとで、2023年度1回目の資格試験問題を試みたところ結果は54点。立派な不合格ゾーン。本試験まで5週間しかないので、マジでお尻に火がついた時です。また不合格かもという悪い予想が現実味を帯びた時は、本気で学習方法の見直しをしました。

・・・ その結果、(私にとっての合格できない)原因は大きく2つです。

原因1 CFP資格標準テキストだけに頼るのは十分ではない

自分は暗記は超苦手です。文字は読めても頭の中を素通りです。ですから覚える決まり事の背景やその後の改訂理由など、興味を唆る情報も付けて読めば、頭の中に記憶として残り易いと分かリました。多くの人がCFP試験の学習に使用する「CFP資格標準テキスト」は、試験範囲や要点が漏れなく記載されています。これを全て覚えることができれば試験に合格するのは当然でしょうが、理解しないまま読んでいても身に付かないのです。以下は私見です「重要な決まり事(法律や制度・計算式等)について背景や理由・歴史(変遷)が記載されていない」、「各種計算式は全て合理性を持って設計されている様です。その合理性を説明していない」 これらは限られページ数では仕方がないことなのでしょう。私の能力では標準テキストだけを、仮に10回読み返しても覚えられることは僅かです。なぜなら、標準テキストの記載内容は官庁がWEBで公開している説明文を引用した内容と類似しているからです。文章は日本語なので読めても、言い回しが分かり難くて、使用している単語の意味を理解するためには、もっと多くの情報(背景、改訂が必要な理由、専門用語の説明、等々)が必要です。且つ、普通の言い回しで説明して欲しいのです。したがって、標準テキストの記載内容を理解するには専門家(士業)の先生方が説明しているネット情報から学習するしかありません。これは初回の学習から感じていました。購入した標準テキスト内に小さな文字で調べた内容を書き込んでいましたが、繰り返しの学習には適したメモの手段ではなかったように思います。 (WEB上には数年前に記載された古い情報が、上位でヒットすることも多いのでも要注意です。) おそらく、有料の資格取得講座を受講すれば先生方が口頭で懇切丁寧に説明をしていただけるのだと推測します。

原因2 CFP資格標準テキストに掲載されていないことも、試験には出題される

これが試験中に身動き取れなくなる試験問題です。標準テキスト内に記載のないことも、いくつか出題されるのです。CFP資格試験の受験者には、CFP資格を目指しAFP資格者のファイナンシャルプランナーとして日々活動されている人や、広い意味で関連業界で仕事をされている方もいることでしょう。これらの方は現在必要な情報として認知していることかもしれません。私は標準テキストと過去問題集のみで学習し、FPジャーナルの隅々まで深く目を通していないので、この範囲までの学習はとてもハードです。そこで対応策は「この種の問題に遭遇したら、悩まずにすぐさま神頼みを実施。考えてもわからない問題に時間はかけない」 だから、自分にとっての満点は90点くらいと設定すれば驚くことはなかったのです。

対策1 学習には過去問題集・FPK精選問題集の解説を活用する、標準テキストは辞書と同じ

FPK精選問題集も中身は過去2年間の資格審査試験問題で主に構成されています。が、各問の解説の内容がCFP資格審査試験問題集に記載の解説よりも、かなり充実している感があります。FPK精選問題集と3年前のCFP資格審査試験問題集の両方を用いて、それらの解説欄を主の学習として、CFP資格標準テキスト(辞書みたいなものとして)と照らし合わせながら、自分で覚えるためにまとめた「手書き型テキスト(A4ノート)」を作成しました。当然ですが、試験問題のなかには、過去問のマイナーチェンジも存在しますので、これを別の問題とせずに派生型(見方を変えた)問題として、作成した「手書きテキスト」の一つのページに追記します。これでだいぶ情報も整理ができるのです。さらに、自分なりのまとめかたをすると、混同し易い部分(例えば、特別受益や寄与分制度、特別寄与料制度など、他にも多数あり)だけのまとめができます。自分の場合は、ノート1ページにまとめると、そのページ単位でスキャンしてPDFとしました。その電子ファイルはスマホで空き時間(電車内とか)があれば斜め読みに活用しました。新たに発見したことを追記する場合も、このノートならば容易に整理できます。手書きなので「消して追記」も容易です。

対策2 どうしても間違え易い(失念し易い)ことは、それだけをまとめる

試験問題は時間との勝負でもあるため、どうしても急いでしまう。結果、イージーミスが原因の間違いをします。意外に間違った答えが4択の中に用意されているのは悲しいです。私の場合は基礎控除などを計算過程に入れるのを忘れるミスを繰り返しミスします。相続人や各種権利者の対象範囲を失念することも度々です。繰り返すウィークポイントはいつでも(試験直前でも)再確認できるように、それだけをA4の1ページにわかりやすくまとめました。 老眼鏡がなくても見える大きい文字で(^。^)

対策3 引っ掛け問題への対策は”マーク”で対応

引っ掛け問題は、受験者が正しい内容を理解していても問題文や表などに記載されているパラメータに、勘違いをしてしまうような書き方がされていて、それに気づかずにいると正解できません。そこで文末の肯定・否定を記載している文字部分や、重要な語句「全て、必ず」等々の部分、「最も適切・最も不適切」を選択する問題を解く場合は、問文の「適切」あるいは「不適切」という文字部分、これらの文字を鉛筆で丸を付けながら確実に確認することで、自分に言い聞かせるようなことを行うと効果があるように思います。

以上のようなことに注意して学習した結果、本試験まで1ヶ月前はボーダライン前後の点数(50点から60点)でしたが、対策1と対策2を充実させた結果、本試験では80点を超えました。自分にとっては満点には届かなくても、十分に満足できる結果です。